中国ではGoogleの全サービスがブロックされているが、VPNで日本やアメリカのサーバーに接続すれば、検索・Gmail・Googleマップ・Google Driveすべて利用可能になる。渡航前にオフライン対策も済ませておくとベストだ。
中国でブロックされているGoogleサービスの全容
Google検索・Gmail(Web/アプリ/IMAP/SMTP)・Googleマップ・Google Drive・Docs・Sheets・Slides・YouTube・Googleフォト・Google翻訳Web版がすべてアクセス不可。ドメイン単位でブロックされているため、VPNなしでは一切利用できない。
中国のGFW(グレートファイアウォール)はGoogleのサービスをドメイン単位でブロックしている。対象は広範囲にわたる。
Google検索(google.com / google.co.jp)は完全にアクセス不可。代替として百度(Baidu)が使えるが、日本語での検索精度はGoogleに遠く及ばない。GmailはWebブラウザ版もアプリ版もブロック。IMAPやSMTPプロトコルも遮断されているため、サードパーティのメールアプリ経由でもアクセスできない。
Googleマップは旅行者にとって最も痛い制限の一つだ。ナビゲーション、ストリートビュー、周辺のレストラン検索など、旅行中に頻繁に使う機能がすべて使えなくなる。Google Drive / Docs / Sheets / Slidesもブロック対象で、ビジネスでGoogleワークスペースを使っている場合は業務が完全に止まる。YouTubeも完全にブロック。GoogleフォトやGoogle翻訳のWeb版も同様だ。
VPNでGoogleを使う手順
渡航前のオフライン対策チェックリスト
- VPNサービスを2社契約(メイン+バックアップ)
- Gmailオフラインモードを有効化(30日間同期)
- Googleマップでオフラインマップをダウンロード
- Google翻訳アプリで中国語(簡体字)パックをダウンロード
- Google Driveから重要ファイルをローカル保存
- GoogleドキュメントのオフラインアクセスをON
- Chrome同期機能を有効化
- よく使うWebページをオフライン保存
Gmailのオフライン対策
VPNが不安定な環境でも最低限のメール業務を続けるために、Gmailのオフラインモードを有効にしておこう。
設定方法:Gmail(Web版) → 設定 → 全般 → オフラインの項目で「オフラインメールを有効にする」にチェック。同期日数は30日間を推奨。これにより、VPN接続時に同期したメールをオフラインで閲覧・下書き作成できるようになる。次回VPN接続時に下書きが自動送信される。
スマホのGmailアプリは、直近のメールを自動的にキャッシュしている。VPN接続中にアプリを開いて同期を完了させておけば、VPN切断後も既読メールは閲覧可能だ。
Googleマップの代替手段
百度地図(Baidu Maps)
無料
- バス・地下鉄ルート検索に優れる
- 中国国内の住所検索が正確
- インターフェースは中国語
- 漢字入力で目的地検索可能
高徳地図(Amap)
無料
- アリババグループ運営
- タクシー配車Didi連携
- リアルタイム交通情報
- 百度地図と並ぶ二大サービス
Googleマップ(オフライン)
無料
- 渡航前に地図ダウンロード
- VPNなしで閲覧可能
- ナビゲーション機能あり
- リアルタイム情報は非対応
百度地図(Baidu Maps)は中国国内の住所検索・ルート案内・公共交通機関の乗り換え案内に優れている。特にバスや地下鉄のルート検索はGoogleマップより正確だ。インターフェースは中国語だが、地名を漢字で入力すれば目的地を見つけやすい。
高徳地図(Amap / 高德地图)はアリババグループの地図アプリで、百度地図と並ぶ中国の二大地図サービス。タクシー配車(Didi連携)との相性が良い。
さらに、Googleマップのオフラインマップ機能を活用する方法もある。渡航前にGoogleマップで滞在先周辺の地図をダウンロードしておけば、VPNなしでも地図の閲覧とある程度のナビゲーションが可能だ(ただしリアルタイムの交通情報は反映されない)。
Google翻訳の代替
渡航前にGoogle翻訳アプリで中国語(簡体字)のオフライン翻訳パックをダウンロードしておけば、VPNなしでも日中・中日翻訳が使える。アプリ → 設定 → オフライン翻訳 → 中国語(簡体字)をダウンロード。精度はオンライン版に劣るが、レストランのメニューや看板の翻訳には十分だ。
代替として百度翻訳や有道翻訳もある。カメラで撮影した中国語テキストをリアルタイム翻訳する機能は百度翻訳の方が中国語に最適化されている。
ビジネスユーザー向けのGoogleワークスペース対策
Googleワークスペース(Gmail・Drive・Docs・Meet等)を業務で使用している場合、VPNは業務継続の命綱になる。中国出張前に、以下の準備を済ませておこう。
重要なファイルはGoogle Driveからローカルにダウンロードしておく。Googleドキュメントはオフラインアクセスを有効にしておく(Chrome拡張機能「Googleオフラインドキュメント」が必要)。ビデオ会議はGoogle Meetの代わりにZoom(中国版あり)やDingTalk(钉钉)も使えるよう準備しておく。
Google Chromeの同期機能を事前に有効化しておく
Google Chromeの同期機能を渡航前にONにしておくと、ブックマーク・パスワード・履歴がGoogleアカウントに保存され、VPN接続時に別デバイスでも同じ環境が復元される。万が一スマホを紛失してもVPN接続した新しいデバイスでChromeにログインすれば、保存済みのパスワードやブックマークがすべて戻る。Chromeのオフラインページ保存機能も中国では重宝する。よく使うWebページを事前にオフライン保存しておけば、VPN接続なしでも閲覧可能だ。
Google利用の完全ガイドは「中国でGoogleを使う方法」で解説している。VPN準備全般は「中国旅行VPN準備ガイド」も参考にしてほしい。