スプリットトンネリングは、どの通信をVPN経由にし、どの通信を通常のインターネット接続で処理するかをアプリ単位またはURL単位で選択できるVPN機能です。すべての通信をVPNに通す「フルトンネル」に対して、一部だけをトンネルに通すから「スプリット(分割)トンネリング」と呼ばれます。
VPNに接続すると全通信がVPNサーバーを経由するため、多少なりとも速度は低下します。また、VPN経由だと問題が生じるサービスもあります。オンラインバンキングのアプリは、海外IPアドレスからのアクセスを不正アクセスとみなしてブロックすることがあり、ローカルネットワーク上のプリンターやNASにはVPN経由ではアクセスできません。
スプリットトンネリングは、こうした「VPNを通したい通信」と「VPNを通したくない通信」を同時に共存させるための仕組みです。
スプリットトンネリングの3つのモード
アプリベース(包含型)
指定アプリのみVPN
- ブラウザとメールだけVPN経由
- 動画アプリは直接接続で高速
- NordVPN Android/Windows対応
アプリベース(除外型)
全通信VPN+例外
- 基本的に全てVPN保護
- 銀行アプリだけ除外
- ExpressVPN対応
URLベース
サイト単位で制御
- 特定サイトだけVPN経由
- ブラウザ拡張で実現
- 細かい制御が可能
スプリットトンネリングが活躍する具体例
- 海外滞在中のマルチタスク: 日本のVPN経由でTVerやNHKプラスを視聴しながら、現地のUberやGoogle Mapsは通常接続
- 速度を最適化したいゲーマー: ゲーム通信は直接接続で低遅延、ブラウザやチャットだけVPN経由
- ローカルデバイスへのアクセス: プリンター、NAS、スマートホーム機器への接続をVPN対象外に
- オンラインバンキングとの両立: 銀行アプリだけVPN除外、ブラウジングは保護
主要VPNのスプリットトンネリング対応状況
NordVPN
月額$2.99〜
- Windows・Android対応
- 包含・除外の両方式
- 直感的なUI
- macOS・iOS非対応
ExpressVPN
月額$6.67〜
- Windows・Mac・Android対応
- 「Split Tunneling」機能
- アプリ単位で設定
Surfshark
月額$1.99〜
- 「Bypasser」機能
- Windows・Android対応
- アプリ・URL単位
NordVPNでの設定手順
スプリットトンネリングは便利な反面、VPN対象外の通信は暗号化されません。銀行アプリを除外設定にした場合、その通信はフリーWi-Fi上では保護されません。フリーWi-Fi環境ではフルトンネル(全通信VPN経由)に切り替え、自宅や信頼できるネットワーク上でのみスプリットトンネリングを使うのがベストプラクティスです。
フリーWi-Fi環境での運用ルール
- スプリットトンネリング有効
- 銀行アプリは除外OK
- 速度とセキュリティを両立
- フルトンネルに切り替え
- 全通信をVPN経由
- 速度より安全性優先
VPN経由の通信が切断された際にキルスイッチが機能するか、除外設定のアプリはキルスイッチの影響を受けないか、事前に確認しておきましょう。特にExpressVPNやNordVPNは、スプリットトンネリングとキルスイッチの併用時の挙動が明確です。
スプリットトンネリングは上級者向けの機能に見えますが、一度設定すればあとは自動で適用されるため、実際の運用は難しくありません。「この通信は保護したい」「この通信は直接接続で十分」という区分けを明確にしておけば、速度とセキュリティの最適なバランスを実現できます。VPNを日常的に使いこなすための重要なスキルと言えるでしょう。まずはNordVPNやExpressVPNの30日間返金保証を使って、スプリットトンネリングの使い勝手を体感してみてください。Surfshark(月額$1.99〜)やMillenVPN(月額396円〜)もスプリットトンネリングに対応しており、コスパ重視の方にも選択肢は豊富です。NordVPN(月額$2.99〜、同時10台)はWindows・Androidの両方でスプリットトンネリングに対応しており、設定も直感的です。VPN機能の比較は「VPN比較ガイド」で、ストリーミング目的の設定については「ストリーミング向けVPN」で詳しく解説しています。