Spotifyは国別の価格差が大きく、VPNでフィリピンやインドに接続して登録すれば月額200円前後まで抑えられる場合がある。日本のSpotify Premiumは月額980円なので、年間にすると約9,000円の差が生まれる計算だ。ただし、Spotify特有の「14日間隔の位置情報チェック」という厄介な仕組みがあり、他のサブスクよりも継続のハードルが高い。
Spotifyの国別料金差
日本のSpotify Premiumは月額980円(個人プラン)、ファミリープランは月額1,580円、学割プランは月額480円。フィリピンでは個人プランが月額約200円相当、インドでは約180円相当と、日本の5分の1近い価格設定になっている。ブラジルやトルコも月額300〜400円相当で、日本との差は歴然だ。
Spotifyがここまで大きな価格差を設けているのは、音楽ストリーミング市場での世界シェア争いが背景にある。Apple MusicやYouTube Musicとの競争で新興国のユーザーを獲得するため、現地の購買力に合わせた低価格を設定している。2024年時点でSpotifyは180ヶ国以上に展開しており、ユーザー数は6億人を超える。この規模を支えているのが地域別プライシングだ。
DuoプランやファミリープランではさらにCPA(1人あたりの費用)が下がる。フィリピンのファミリープラン(月額約350円相当)を5人でシェアすれば、1人あたり月額70円前後。日本の個人プラン980円と比較すると、1人あたり年間約10,900円の差になる。
具体的な登録手順
- NordVPNやSurfsharkでフィリピンのサーバーに接続する — Surfsharkは同時接続台数が無制限で月額$1.99〜と安いため、Spotify節約との相性が良い。NordVPNは118ヶ国対応でフィリピンのサーバーも複数あり安定性が高い
- 新しいSpotifyアカウントを作成する — 既存の日本アカウントの地域変更は制限があるため、新規アカウントの方がスムーズ。メールアドレスは既存と別のものを使う。VPN接続を維持した状態でspotify.comにアクセスし、「Sign Up」から新規登録を進める
- 居住国を「Philippines」に設定する — 登録時の国設定がそのまま料金体系に反映される。ここで選んだ国がアカウントのホームリージョンとなり、以後の課金通貨と料金が決まる
- 決済情報を入力する — 国際対応のVISAやMastercardで決済可能な場合が多い。フィリピンのGoogle Playギフトカードを利用する方法もある。PayPalアカウントがフィリピンに設定されていれば、PayPal経由の支払いも可能だ
Spotify特有の位置情報チェック
Spotifyは14日に1回の位置情報チェックを実施。登録国と実際の位置が不一致の状態が14日以上続くとPremium機能が一時停止される。
Spotifyには他のサブスクにはない厄介な仕組みがある。14日に1回の位置情報チェックだ。これがSpotify節約を「登録して終わり」にできない最大の理由だ。
Spotifyはユーザーの現在地を定期的に確認しており、登録国と実際の位置が異なる状態が続くとアカウントに警告が出る。具体的にはアプリ起動時にGPS情報やIPアドレスをチェックし、登録国との不一致が14日以上続くとPremium機能が一時停止される。「居住国を更新してください」という通知が届き、日本を選択すると日本料金に切り替わる。
つまり、VPNで安い国のSpotifyに登録した場合、少なくとも2週間に1回はVPNで同じ国に接続した状態でSpotifyのアプリを開く必要がある。PCのSpotifyアプリでもモバイルアプリでも構わないが、この手間を許容できるかどうかが、Spotify節約の分かれ目になる。毎回VPNを起動→フィリピンに接続→Spotifyを起動、という作業が億劫に感じる人には向いていない。
アカウント停止リスクの現実
Spotifyの利用規約では、実際の居住国と異なる国での登録は規約違反に該当する。過去にはアカウントが突然停止されて、保存したプレイリストやライブラリにアクセスできなくなった事例も報告されている。
長年かけて構築したプレイリストが一瞬で消失する可能性あり。節約額(年間約9,000円)とリスクのバランスを考慮し、サブアカウントで試すのが無難。
特に注意したいのは、長年かけて構築したプレイリストの喪失だ。何百曲もお気に入り登録し、オリジナルプレイリストを何十個も作り込んだアカウントを一瞬で失うのは精神的にもダメージが大きい。Spotifyのプレイリストはアカウントに紐づいているため、アカウント停止=プレイリスト消失となる。節約額(年間9,000円程度)とリスクのバランスを考えると、サブアカウントで試すのが無難だろう。
また、アカウント停止まではいかなくても、Premium機能の一時停止は比較的頻繁に報告されている。オフライン保存した楽曲が再生できなくなる、広告なし再生が解除される、といった形でPremiumの恩恵が突然失われるストレスは小さくない。
無料プランや学割との比較
Spotify無料プラン
月額0円
- 広告付き
- シャッフル再生制限
- オフライン保存不可
- リスクゼロ
日本学割プラン
月額480円
- 学生限定
- Premium全機能
- 規約違反リスクなし
- プレイリスト保護
フィリピンPremium+VPN
月額200円+VPN代
- 年間約9,400円節約
- 14日ごと手間
- アカウントリスク
- プレイリスト消失可能性
そもそもSpotifyには広告付きの無料プランが存在する。シャッフル再生の制限やオフライン保存不可といった制約はあるが、楽曲自体は無料で聴ける。VPNで節約するリスクを冒すくらいなら、無料プランで我慢するか、日本の学割プラン(月額480円)を使えるなら使う、という選択肢もある。
年間の節約額(フィリピンPremium月額200円×12=2,400円 vs 日本Premium月額980円×12=11,760円、差額約9,400円)と、VPN料金(Surfshark年間約3,600円、NordVPN年間約5,400円)、14日ごとの手間、アカウントリスクを天秤にかけて判断してほしい。
推奨VPN
Spotify節約を試すなら、Surfshark(月額$1.99〜、100ヶ国対応、同時接続無制限)が最もコスパが良い。家族全員のデバイスでVPNを使っても追加料金がかからないため、ファミリープランとの組み合わせで最大限の節約が実現する。NordVPN(月額$2.99〜、118ヶ国対応)はサーバー数が多く、フィリピンやインドのサーバーも複数用意されている。いずれも30日間返金保証付きなので、うまくいかなければVPN料金も取り戻せる。
プレイリストの移行とバックアップ
TuneMyMusicやSongShiftといったサードパーティツールで、プレイリストを異なるアカウント間・サービス間で転送可能。定期的にバックアップを推奨。
既存のSpotifyアカウントから新しい海外アカウントに乗り換える場合、プレイリストの移行が課題になる。TuneMyMusicやSongShiftといったサードパーティツールを使えば、プレイリストを異なるアカウント間やサービス間で転送できる。万が一アカウントが停止された場合に備えて、定期的にプレイリストをバックアップしておくことも推奨する。
Apple Musicとの比較
Spotify節約のリスクが気になるなら、Apple Music(月額1,080円)やYouTube Music(月額1,280円、YouTube Premium込み)との比較も視野に入れたい。Apple Musicは家族プラン(月額1,680円)を5人でシェアすれば1人あたり336円。Spotifyのフィリピン個人プラン(200円相当)+VPN料金を考えると、実はApple Musicファミリーの方がリスクなしで似た水準のコストになる。「リスクゼロで月額336円」か「規約違反リスクありで月額200円+VPN代」か。合理的な判断は人によって分かれる。
Spotifyの海外契約の詳細は「VPNでSpotifyを安くする方法」で解説している。他のサブスクも含めた節約術は「VPNサブスク節約ガイド」を参照してほしい。