Steam、PlayStation Store、Epic Games StoreなどはVPN経由で安い国のストアにアクセスする方法があったが、2024年以降は各プラットフォームの対策が劇的に厳しくなっている。特にSteamは現地の決済手段がほぼ必須となり、VPNだけでは地域変更すら不可能になった。ゲーム節約を狙うなら、VPNよりもセールの活用が現実的だ。
Steam等のゲームストアはVPN対策を大幅強化。現地カード必須、アカウントBANリスク増大により、VPNでの地域偽装は推奨できません。
プラットフォーム別の現状
Steam — 最も対策が厳しい。Steamの地域プライシングは有名で、かつてはトルコやアルゼンチンのストアで同じゲームが半額以下で買えた。AAAタイトルが日本では8,000円のところ、トルコでは2,000円前後というケースもあった。しかしValveは2023年にストア地域の変更ルールを大幅に厳格化。現在は地域変更時に「その国で発行されたクレジットカードまたはデビットカード」による決済が必須となっている。VPNでIPアドレスを変えるだけではストアの国を変えられないため、事実上のブロック状態だ。さらにSteamはVPN使用を検知した場合にアカウント制限をかけるポリシーを明記しており、リスクも高い。
PlayStation Store — アカウント作成時の国設定がカギ。PlayStation Storeは地域別にストアが分かれており、アカウント作成時に選んだ国のストアが適用される。トルコやブラジルのアカウントを別途作成し、そのアカウントでゲームを購入する方法がある。購入したゲームはPS5/PS4で「プライマリー設定」すれば他のアカウントでもプレイ可能だ。ただし、現地通貨のPSNプリペイドカードが必要になる。トルコリラのPSNカードはオンラインマーケットプレイスで購入可能だが、額面に10〜20%の手数料が上乗せされるため実質的な節約額は減る。
Epic Games Store — 対策はまだ比較的緩い。Epic Games Storeは国際クレジットカードの受け入れ率が高く、VPN経由で安い国の価格でゲームを購入できるケースがある。ただしEpic自体が毎週の無料配布や大型セール時のクーポン(10〜25%オフ)を頻繁に実施しているため、そもそもVPNを使わなくても安く遊べる場面が多い。無料配布だけで年間50本以上のゲームが手に入る。
Nintendo eShop — 地域変更が容易だが対策も進行中。Nintendoアカウントの国設定はWeb上で簡単に変更でき、南アフリカやメキシコなど安い国のeShopでゲームを購入する手法がある。他のプラットフォームと異なり、VPNすら不要で国設定だけで価格が変わる。ただしNintendoも段階的に対策を進めており、残高があると国を変更できない制約がある。また、DLC(ダウンロードコンテンツ)は購入した地域のストアでしか買えない場合があり、ゲーム本体と異なる地域で購入するとDLCが適用されないリスクがある。
Xbox / Microsoft Store — Game Passの地域差。Xbox Game Passの料金も国によって異なる。トルコやアルゼンチンのMicrosoftアカウントを作成し、現地のギフトカードでGame Passに加入する方法がある。月額制のサブスクリプションのため、毎月の節約が積み重なる。ただしMicrosoftも地域変更の制限を強化しつつある。
ゲーム節約に使うならどのVPNか
ゲーム用途でVPNを選ぶなら、速度とサーバー数の両方が求められる。NordVPN(118ヶ国・7,400台以上)はNordLynxプロトコル搭載で高速接続が可能、サーバー網の広さでマイナーな国もカバーしている。ExpressVPN(105ヶ国・3,000台以上)もLightwayプロトコルで接続安定性に優れる。ゲームのダウンロード速度にも影響するため、プロトコルの高速性は重要だ。
アカウントBANのリスク
ゲームストアでのアカウント停止は、購入済みライブラリ全体の喪失を意味します。数万円~数十万円分のゲーム資産が一瞬で失われるリスクがあります。
ゲームストアでの地域偽装は、他のサブスクサービス以上にリスクが大きい。理由は明確で、購入済みゲームのライブラリごと失う可能性があるからだ。
Steamで5万円分のゲームを蓄積したアカウントがBANされれば、その損失はVPNで節約した金額の何倍にもなる。PlayStation Storeでも、購入したダウンロード版ゲームはアカウントに紐づいているため、アカウント停止=ゲーム喪失となる。ゲーマーにとってライブラリは長年かけて築いた資産であり、それを失うリスクを冒して数千円を節約するのは合理的とは言えない。
特にSteamは規約でVPN使用による地域偽装を明確に禁止している。「You agree that you will not use IP proxying or other methods to disguise the place of your residence」というSteam利用規約の条項がそれに該当する。違反が検知されればアカウントの永久停止もあり得る。
VPNを使わない賢い節約法
リスクなしでゲーム費用を抑える方法は複数ある。
Steamセール。年に数回の大型セール(サマーセール、ウィンターセール、オータムセール、スプリングセール)では、人気タイトルが50〜90%オフになることも珍しくない。ウィッシュリストに入れておけばセール開始時に通知が届く。発売直後のフルプライスを避け、数ヶ月待てば半額以下になるのがPCゲーム市場の常だ。
Epic Games Storeの無料配布。毎週1〜2本のゲームが期間限定で無料配布される。過去にはGTA V、Civilization VI、Death Strandingなどの大型タイトルも無料になった。アカウントを作って毎週チェックするだけで、年間50本以上のゲームが無料で手に入る。
PS Plusのフリープレイ。PlayStation Plusの加入者は毎月2〜3本のゲームが無料で提供される。年間にすると24〜36本。PS Plus Extraならゲームカタログ数百本が追加料金で遊び放題になる。
オンラインゲームでのVPN活用
価格の話とは別に、オンラインゲームではVPNが有用な場面もある。海外サーバーへの接続でルーティングを最適化しラグを軽減したり、DDoS攻撃からの防御、地域限定ベータテストへの参加などだ。ただしVPN経由だとレイテンシ(遅延)が増加するケースもあるため、ゲームサーバーに近い国のVPNサーバーを選ぶことがポイントになる。NordVPNのNordLynxやExpressVPNのLightwayは低レイテンシのプロトコルであり、ゲーム用途にも適している。
Xbox Game Passとの組み合わせ
ゲーム費用を抑える最も合理的な方法の一つが、Xbox Game Pass(月額850円〜)の活用だ。数百本のゲームが定額で遊び放題になるため、個別購入よりも圧倒的に安くなる。Game Passの料金自体をVPNで安い国から契約する方法もあるが、Microsoftの地域制限も徐々に強化されている。安全策としてはGame Pass Ultimateの日本料金を素直に支払いつつ、個別購入はSteamセールを待つという二段構えがベストだ。
ゲーミング向けVPNの選び方とランキングは「ゲーミングVPNおすすめランキング」で詳しくまとめている。サブスク全般の節約は「VPNでサブスク料金を節約する方法」も参考にしてほしい。VPN自体の料金比較は「VPN安さランキング」で確認できる。