VPNプロバイダー選びで失敗しないためには、セキュリティ、速度、サーバー数、料金、サポートの5つのポイントを自分の用途に合わせて優先順位づけすることが重要だ。すべてを満たす完璧なVPNは存在しないが、自分にとって何が一番大事かが分かれば、選択肢は一気に絞られる。
ポイント1:セキュリティとプライバシー
VPNの本質はセキュリティだ。以下の4項目をチェックしたい。
- ノーログポリシーの第三者監査(PwC、Deloitte、KPMG等)
- AES-256暗号化の採用
- キルスイッチの有無とデフォルト設定
- 本拠地の国(ファイブアイズ圏外が理想)
ノーログポリシーの第三者監査。「ログを保存しない」と宣言しているVPNは多いが、本当に保存していないかを確認する唯一の方法が第三者監査だ。NordVPN(PwC・Deloitte監査済み)、ExpressVPN(KPMG・Cure53・PwC監査済み)、Surfshark(Deloitte監査済み)は監査結果を公開している。監査実績のないVPNは、その宣言を鵜呑みにしない方が良い。
暗号化方式。業界標準はAES-256ビット暗号化で、NordVPN、ExpressVPN、Surfshark、MillenVPNいずれも採用している。これは軍事レベルの暗号化とも呼ばれ、現在の技術では解読が実質不可能。AES-128やそれ以下の暗号化を採用しているVPNは避けるべきだ。
キルスイッチの有無。VPN接続が不意に切れた瞬間、本来のIPアドレスが漏洩するのを防ぐ機能。ほぼすべての大手VPNに搭載されているが、デフォルトでオフになっている場合がある。初期設定でオンにしておくことを推奨。
本拠地の国。VPN企業の本拠地がどの国にあるかは、政府からのデータ開示要求への対応に影響する。NordVPN(パナマ)、ExpressVPN(英領ヴァージン諸島)はファイブアイズ(5ヶ国情報共有同盟)の管轄外にあり、政府からのデータ提出要求を法的に拒否しやすい。Surfshark(オランダ)はEU圏だが、ノーログで保存データ自体がないため実質的な影響は小さい。
ポイント2:接続速度と安定性
VPNを通すと通信速度は多少低下する。その低下幅を最小限に抑えるのがプロトコルの性能だ。
独自高速プロトコル。NordVPNのNordLynx(WireGuardベース)、ExpressVPNのLightwayは、いずれも従来のOpenVPNを大幅に上回る速度を実現している。WireGuard対応のVPNを選ぶのが速度面でのベースラインだ。Surfsharkは独自プロトコルこそないが、WireGuardに対応しており十分な速度が出る。
ポイント3:サーバーの数と設置国
サーバーが多いVPNほど混雑を避けやすく、安定した速度が得やすい。設置国が多いと、接続先の選択肢が広がる。
NordVPN
- 118ヶ国
- 7,400台以上
- 業界最大級
ExpressVPN
- 105ヶ国
- 3,000台以上
- 全サーバー難読化
Surfshark
- 100ヶ国
- 3,200台以上
- 台数無制限
MillenVPN
- 72ヶ国以上
- 1,300台以上
- 日本語対応
特定の国のコンテンツにアクセスしたいなら、その国にサーバーがあるか事前に確認しよう。たとえば中国出張で使いたいなら、中国本土にサーバーがあるかではなく(ない方が普通)、中国から接続可能なサーバーがあるかどうかが重要だ。
ポイント4:料金と契約条件
VPNの料金は契約期間によって大きく変わる。月額契約は割高で、2年契約にすると月額が50〜80%下がるのが一般的だ。
同時接続台数。Surfsharkは無制限、NordVPNは10台、ExpressVPNは8台、CyberGhostは7台。家族でシェアするならSurfshark、個人使用ならNordVPNかExpressVPNで十分。
返金保証。NordVPN、ExpressVPN、Surfsharkは30日間の全額返金保証を提供。CyberGhostは45日間(月額プランは14日)と最長。MillenVPNも30日間対応だ。返金保証を「無料お試し」として活用できるため、2〜3社を並行して試してから決めるのが賢い。
ポイント5:カスタマーサポート
- NordVPN(英語)
- ExpressVPN(英語)
- Surfshark(英語)
- 定型問い合わせなら簡単な英語で十分
- MillenVPN(唯一の本格選択肢)
- サイト・アプリ・サポートすべて日本語
- 英語が苦手な人向け
- 海外大手は翻訳程度の対応
利用目的別のおすすめ
避けるべきVPNの特徴
選んではいけないVPNの特徴を把握しておこう。
- 完全無料VPN: ユーザーの閲覧データを広告ネットワークに販売している可能性が高い
- 第三者監査なし: 「ログを保存しない」宣言の裏付けがない
- ファイブアイズ圏内: 米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドは政府がデータ開示を要求しやすい
完全無料VPN。サーバーの運用コストは確実にかかるのに無料ということは、何かしらの方法で収益を上げている。多くの無料VPNはユーザーの閲覧データを広告ネットワークに販売している。プライバシーを守るためのツールが、逆にプライバシーを侵害しているという本末転倒な状態だ。速度制限や帯域制限も厳しく、実用性に欠ける。
ノーログポリシーの第三者監査がない。「ログを保存しない」と宣言するだけなら誰でもできる。PwCやDeloitte、KPMGなど独立した監査法人による検証結果が公開されていないVPNは、その宣言の裏付けがない。
本拠地がファイブアイズ圏内。米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5ヶ国は情報共有協定を結んでおり、政府がVPN企業にデータ開示を要求する法的根拠がある。プライバシー重視ならパナマ(NordVPN)や英領ヴァージン諸島(ExpressVPN)拠点のVPNが安心だ。
迷ったらこの1社
ここまで読んでもまだ迷うなら、NordVPNを選んでおけば間違いない。月額$2.99〜で118ヶ国7,400台以上のサーバー、NordLynxの高速接続、Threat Protection Proのセキュリティ機能、同時10台接続、30日返金保証、PwC・Deloitte監査済みのノーログポリシー——あらゆる評価軸で高水準を維持しており、万人におすすめできる。
VPNの総合比較は「VPN比較2026年版」で確認できる。料金重視なら「VPN安さランキング」、日本向けは「日本向けVPN比較」を参照してほしい。